ISO・プライバシーマーク・ISMSの認証取得・運用サポートコンサルティング ISO NEXT

Pマーク ISO27001 ISO9001 ISO14001 各種ISO ナレッジ 会社概要 tel.0120-068-268 お問合せ

ISO9001のナレッジ KNOWLEDGE

CATEGORY

ISO9001とは?認証取得の流れとメリットを徹底解説

ISO9001とは、”品質”に対する国際的な基準を定めたISO認証規格です。ISO9001では、認証範囲の事業活動において取り扱う製品や提供するサービスにまつわる活動を仕組み化し、品質マネジメントシステム(QMS)を構築・運用することが求められます。

プロのコンサルタントに相談する

1.ISO9001とは?

⑴そもそもISOとはなにか?

ISOとは、スイスのジュネーブに本部があり、International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。

国際的に通用する規格を制定し、ISOが制定した規格をISO規格と呼びます。

種類は様々あり、品質や環境、情報セキュリティなど、それぞれの基準(ISO)に番号が割り振られ、それぞれに国際的な基準が制定されています。

⑵ISO9001とは?

上記で説明した国際的な基準の中でも”品質”に対する国際的な基準を定めたものがISO9001です。

規格にはバージョンがあり、数年に一度、規格の内容が見直され改訂されます。

⑶品質マネジメントシステム(QMS)について

上記のISO9001の略称として”QMS”と呼称される場合が多くみられます。

正式には”Quality Management System”の略称です。
認証範囲の事業活動において取り扱う製品や提供するサービスなど、それらにまつわる社外的な活動、社内的な活動を仕組み化することを品質マネジメントシステム(QMS)としています。

2.ISO9001の規格の目的と内容

⑴規格の目的について

ISO9001を取得している企業及び組織によって目的は異なりますが、規格の意図が明確なため、”何のためにISO9001を維持していくのか”を明確化しやすい部分はあります。

ISO9001が求めている目的は、プロセスアプローチです。
プロセスアプローチとは一般的な見解やGoogleなどで検索すると「各プロセスが何のためにあるのかを明確にして、課題を整理し、効果的に管理できるようにシステムとして組織に適用させていく流れ」などと出てきます。これこそがISO9001の大きな目的です。

まず品質がどうのではなく、社内のプロセスを把握し組織としての考えうる課題を明確にすることで取り組むべき次のステップが見えてきます。

社内のプロセスを整理することで組織として効果的に、且つ循環したマネジメントシステムを回すことができる土台となります。

⑵ISO9001の対象組織

どのような組織でも取得及び維持が可能なため、ISO9001においては、特に限定的対象組織はありません。

ISO9001が始まったころのイメージとして、当時は製造を生業としている企業が多く取得に走っていましたが、
現在は、どんな業種内容でも基本的には取得が可能となっています。

⑶ISO9001は簡単に取得できる?

ISO9001が簡単に取得できるかどうかは、結論から言うと五分五分です。

組織の努力ももちろんありますが、審査機関の選定も大きく関わるのではないでしょうか。

審査機関は国内だけでも数十個あり、審査員の資格を取得している人員は国内に何千人といると言われています。

本来はどの審査機関でも、どの審査員が審査を行ったとしても審査の基準が変わることは許されないことですが、ISO審査自体もまだまだAIやロボットで行うことはないため人が審査を行います。

審査員という人間が審査を行うわけですから、当然人となりも審査の場で出てしまうことがしばしばあります。いわゆる”厳しい人”が審査員として選定されてしまうと簡単に取得するのは難しくなってしまうのではないでしょうか。

⑷ISO9001のロゴマークの使用

ISOの認証が下りると審査を受けた審査機関から、審査機関と認定機関のロゴが入ったマークがデータなどで届きます。

昔はCDーROMなどで郵送できたものを取り込んでいましたが今はダウンロードする場合もあるそうです。

ISOのロゴマークは、認証した際に審査機関から貸与されるものになるため、イメージとしては”審査機関から借りている”認識になります。

万が一審査機関を変更する場合は、ロゴマークや認証書は返却しなければいけないため注意が必要です。

また、使用用途について一般的なものとしては名刺や封筒、パンフレット、HPがあげられ、稀に企業看板として作る企業もあります。審査の際にも、使用しているロゴマークの状況などをまず確認されるため、取得後の使用方法には十分注意しましょう。

⑸ISO9001の認証取得企業数

日本のISO9001認証取得企業数は昨今減少傾向にありますが、公益財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board)が認定している取得企業数では2023年8月30日時点で25,481社と数値を発表しています。

大都市の取得状況として東京都3,827社、大阪府2,300社、愛知県2,016社と、企業数や人口が多い都道府県にて取得企業数が多いことが分かります。

3.ISO9001の規格の構成について

ISO9001は1項~10項で規格要求事項が構成されています。

中でも、規格の本編がスタートする4項からが取り組むべき要求事項です。

現在のISO9001は2015年に最終改訂されたもので、2008年度版から改訂が行われたバージョンです。

2008年度版から2015年度版への改訂は、そこまで大きな変更はなかったため、専門家によっては、「2000年度版からの15年にわたる大幅改訂だ」と表現する方もいました。

4項では、組織の状況の理解し、5項でリーダーシップを確立、6項では計画を策定、7項では維持すべき必要な資源を明確すること、8項では業務内容をメインに考え受注や営業からユーザーまでの納品やサービス提供までを視野にいれどのように管理し実行していくかを決定すること、9項ではそれらの具体的なチェック及びレビューを実施することが記載されています。

最後に、次の運用に繋げるべき改善点や、不適合内容に類似するようなリスクがないかを対策した上でマネジメントシステムを回す、という構成となっています。

4.ISO9001とISO14001の違い

⑴ISO14001の目的

先にも述べた通りISOとは番号によってマネジメントシステムがそれぞれ異なり、ISO9001は品質に関するマネジメントシステムです。

一方、ISO14001とは環境に関するマネジメントシステムです。

この規格が求める目的も最終的には企業により変わりますが、対象事業範囲の業務遂行上、環境に対し良いパフォーマンスを取り組み継続していくことが多くの目的として挙げられます。

当然、環境に対し悪くなるパフォーマンスは除去しなければいけません。
業務を遂行していても普段から環境に対するパフォーマンスに関して、より良くする方針や目標、事業活動を継続することでISO14001の本来の目的に近づくと考えます。

⑵ISO9001とISO14001の視点の違い

ISO9001では業務内容の品質について制定されていますが、ISO14001では対象事業範囲の業務内容が環境に対しどのような悪影響もしくは有益な影響があるのかという点に視点が置かれています。

状況を把握したり、業務を行う上でどのような法規制を認識し対応していかないといけないのかが重要な観点です。
ISO9001とISO14001は、規格自体も統合しやすいため、2規格同時にマネジメントシステムを運用している企業も多く見受けられます。

5.ISO9001を企業が取得する理由

⑴顧客要求のため
顧客からの業務依頼や契約にあたって、ISOの認証及びその実績が確認できないと仕事を依頼することができないケースがあります。

この場合、顧客からの業務依頼を受ける際はISOの取得が必須となります。

顧客目線で考えると、世界基準を満たしていると判断された企業に業務委託したいという思想から、企業の力量をいちいち確かめるのではなく、基準を満たしている企業かどうかが分かれば発注をかけられるので、下請けにISOを取得させる場合が多く見受けられます。

⑵取引先や顧客へのアピールのため
上記で述べたような「必ず取得する」必要がない場合でも不特定多数の顧客に対し、また、エンドユーザーに対し”ある程度の品質が担保されている組織”とアピールできるだけでも組織の情報として優位に立てる材料となるため、販促のツールとして取得されるケースもしばしば見受けられます。

⑶社内統制や業務の標準化のため
自社内で散見しているルールや決まっていない仕組み、従業員の管理を含めISOのマネジメントシステムを用いることにより標準化を促進することができます。

6.ISO9001認証取得のメリット、デメリット

⑴ISO9001取得のメリット

①顧客からの信頼度向上
世界基準を満たしていることで信頼性が高まります。信頼性が高まるということは、それだけ仕事をもらえる可能性が上がるということです。発注側もISOなどの明確な基準を設けてもらえれば安心して業務委託できるはずです。

②公共事業への参加や入札加点
建設業など特に公共工事を落札する際、ISOを取得しているか否かで入札状況が変わることが多々あります。

ISOを取得していることで、工事案件の評点を数点加点されるなど都道府県によって結果の出し方は異なりますが、ISOを取得することで取得していない他社よりもより優位に立てる状況が作れます。

③従業員の意識向上
従業員一人一人が意識的に行動し、マネジメントシステムの一角となることで、製品実現やサービス提供について全体のパワーバランスがより一層底上げされます。

⑵ISO9001取得のデメリット

①担当者への負担が大きい
ISOを運用するというからには、少なからず今までやってきた活動を変える必要があるため、審査中にかかる担当者の負担は当然大きくなります。

②認証取得・維持に費用がかかる
取得したからと言って必ずしも売上が上がるわけではないため、トータルコストで損をする可能性も出てきます。

7.ISO9001取得にかかる費用

⑴必須の「審査費用」

審査機関によって費用は異なります。

良い審査機関はどこか、ぜひコンサル会社に聞いてみましょう。こういったところもコンサル会社を頼るメリットになります。

⑵サポートを受けるなら「コンサル費用」が発生

自社で運用する企業に関しては、コンサルを使わないので、コンサル費用はかかってきません。

しかしながら運用や構築をしていく中で専門家からのアドバイス等があった方がひな形作成や文書規定など”わからない”部分をクリアにするためにも、コンサル会社を利用することが望ましいです。

マンパワーでISOをスタートしてしまうと、内容がわからず頓挫してしまう原因にもなります。

ISOを専門家に任せるとなると「コンサル費用」が発生するので、少しでも予算を抑えたい場合はまずはコンサル会社に一度問い合わせをしてみてください。
コンサル会社によっては、手ごろな価格でライトなプランを用意しているところもあります。

8.ISO9001取得方法と流れ

⑴取得に向けた準備期間

ISOの審査を受けるまでの準備期間としては約4カ月~6か月となります。

しっかり準備したり、審査においてとにかく隙を見せず指摘をとことん減らしていくような運用から入ってしまうと、約1年は準備期間でかかるのではないでしょうか。準備することが目的にならないように心がけるのも重要です。

⑵品質マネジメントシステムの構築と運用

ISO9001を取得するためには、品質マネジメントシステムを構築し、実際に運用しなければなりません。
まずは、自社にあったマネジメントシステムを構築し、マニュアルに基づいてPDCA(Plan(計画)、Do(実行)、Check(監視)、Act(改善))サイクルを回すことが必要とされています。

(3)ISO審査機関による審査

審査機関は日本の中だけでも数十個あります。

しかし、基本的な審査のやり方は変わらず、初回会議、経営者インタビュー、サイトツアー(敷地内巡回)、ISOへの運用確認(管理責任者項目)、業務内容の確認、審査まとめといった流れで1日の審査が終了することが一般的です。

審査工数や審査員の人数、審査時間によって、スケジュールは固定ではないので、企業によって審査の流れは大きく異なりますが、上文の流れである場合がほとんどです。

(4)認証取得完了

認証書とマークが届きますので、必ず保管しておきましょう。

まとめ

ISO9001はISOの中でも比較的有名な規格です。取得事例も多くあります。取得をお考えの方、ご相談のある方は、ぜひ当社までお問合せください。

監修者

このナレッジの監修者

結石 一樹 KEISHI KAZUKI

株式会社スリーエーコンサルティング 執行役員。
ISO・ISMS・Pマークに関するコンサルティング歴10年、担当企業数380社以上。
大手企業や上場企業のサポート経験が豊富。
効率的で効果的な認証取得はもちろん、運用のマンネリ化や形骸化、ダブルスタンダード化などの問題解決に日々取り組んでいる。