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ISO22301とは?会社を緊急事態から守るISO22301を徹底解説

プロのコンサルタントに相談する

 

最近ニュースでよく目にする自然災害、テロ、サイバー攻撃・・・

何か起きてしまった場合に、自分の会社は大丈夫だろうか・・・と不安ではありませんか?

実は、「予期せぬ事態に直面した場合でも、重要な事業活動を継続するための仕組み」があります。ISO22301は、組織のリスクに対する備えを強化し、事業の継続性を確保するための国際規格です。

本記事では、ISO22301の概要から取得のメリット・デメリット、取得方法まで詳しく解説していきます。

ISO22301を取得することで、事業の継続性を確保しましょう。

1. ISO22301とは?

ISO22301とは、組織の事業継続マネジメントシステム(BCMS)を構築・運用するための要求事項を定めた国際規格です。

内容としては、組織が予期せぬ事態に直面した場合でも、重要な事業活動を継続または迅速に復旧できるようにするための枠組みとなっています。

ISO22301認証を取得することで、事業継続能力を客観的に証明することができます。

2. BCM・BCMS・ISO22301の関係性

事業継続マネジメントシステム(BCMS)、事業継続マネジメント(BCM)、ISO22301の関係性は以下のとおりです。

  1. BCM:事業継続のための概念
  2. BCMS:BCMを実現するための仕組み
  3. ISO22301:その概念を実現するためのツール

それぞれどういったものか、具体的に見ていきましょう。

(1)BCM(事業継続マネジメント)

組織が様々なリスクに直面した場合でも、重要な事業活動を継続または迅速に復旧できるようにするための包括的な取り組みです。

  • 「事業を継続させる」という目的や目標、そのための考え方や活動全般を指します。
  • 企業理念やビジョン、事業戦略に基づき、組織にとって何が重要で、どのようなリスク対策が必要なのかを検討します。

(2)BCMS(事業継続マネジメントシステム)

BCMの考え方を具体化し、組織全体で体系的に実践するためのマネジメントシステムです。

  • BCMを実現するための具体的な手順、役割分担、責任、権限などを明確化し、文書化します。
  • リスクアセスメント、事業影響度分析(BIA)、事業継続計画(BCP)の策定・運用、教育訓練、内部監査、見直しなど、様々な活動が含まれます。

(3)ISO22301

BCMSに関する国際規格であり、BCMSを構築・運用・維持・改善するための要求事項を具体的に規定しています。

  • ISO22301に準拠することで、組織は国際的に認められた基準に基づいたBCMSを構築することができます。
  • ISO22301認証を取得することで、組織のBCMSが適切に構築・運用されていることを客観的に証明することができます。

3.ISO22301が重要な理由

ISO22301は下記の理由から、現代社会で重要な規格といえます。

  • 企業の存続を守るため: 事業中断による損失を最小限に抑え、企業の存続を確保します。
  • 顧客からの信頼を得るため: 事業継続に対する信頼性を高め、顧客からの信頼を獲得します。
  • 競争力を強化するため: 事業継続能力を強化することで、競争優位性を築きます。
  • 社会的な責任を果たすため: 社会インフラを担う企業として、事業継続は重要な社会的責任です。

世界中のリスクとして、自然災害、テロ、サイバー攻撃、パンデミックなどがあり、いつ、どこで、何が起こるか分かりません。これらのリスクによって事業が中断されると、企業は大きな損失を被る可能性があります。

ISO22301は、このようなリスクに対する備えを強化し、事業の継続性を確保するために必要不可欠な規格と言えるでしょう。

当社ではISO22301の取得サポートを行なっております。
サービス内容はこちらをご覧ください。

4. ISO22301を取得するメリット

ISO22301を取得することで、様々なメリットがあります。

(1)企業側のメリット

  • 信頼性の向上: ISO22301認証を取得することで、企業の信頼性が高まり、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。
  • 競争力の強化: 事業継続能力を強化することで、競争優位性を築くことができます。
  • リスク管理の強化: リスクを特定し、適切な対策を講じることで、リスク管理を強化することができます。

(2)顧客側のメリット

  • 安心感の提供: 顧客に対して、事業継続に対する安心感を与えることができます。
  • サービス継続性の確保: 事業中断のリスクを低減することで、顧客へのサービス提供を継続することができます。

(3)従業員側のメリット

  • 安全確保: 緊急事態発生時の対応手順を明確にすることで、従業員の安全を確保することができます。
  • 意識向上: 事業継続の重要性に対する従業員の意識を高めることができます。
  • スキルアップ: 訓練や演習を通じて、従業員のスキルアップを図ることができます。

5. ISO22301を取得するデメリット・注意点

ISO22301を取得する際には、いくつかのデメリットや注意点も考慮する必要があります。

(1)費用、時間、労力がかかる

ISO22301の認証取得には、費用、時間、労力がかかります。認証機関への費用、コンサルタント費用、文書作成費用、システム構築費用など、様々な費用が発生します。また、BCMSの構築・運用には、担当者の時間と労力が必要です。

(2)運用体制の構築が必要

ISO22301を効果的に運用するためには、適切な運用体制を構築する必要があります。責任者や担当者を決め、役割分担を明確にする必要があります。

(3)認証取得後も維持管理が必要

ISO22301認証を取得した後も、BCMSを維持・管理していく必要があります。定期的な内部監査、見直し、改善活動などが必要です。

6. ISO22301取得の5ステップ

ISO22301の認証取得は、以下の手順で行います。

  1. 認証機関の選定
  2. 準備段階:現状分析、リスクアセスメント、BCP策定
  3. 運用段階:BCMSの構築、文書化、内部監査
  4. 審査段階:審査機関による審査、是正措置
  5. 認証取得後:維持審査、更新審査

(1) 認証機関の選定

ISO22301の認証を取得するには、まず認証機関を選定する必要があります。認証機関は、国内外の様々な機関が存在します。適切な認証機関を選ぶポイントは、以下の通りです。

  • 信頼性: 国際的に認められた認証機関であるか
  • 費用: 審査費用や登録費用が適切であるか
  • 対応: 審査の対応が丁寧で迅速であるか
  • 専門性: 審査員の専門性が高いか
  • 実績: 多くの企業の認証実績があるか

(2)準備段階:現状分析、リスクアセスメント、BCP策定

認証機関を選定したら、次はBCMSの構築に向けた準備段階に入ります。

  • 現状分析: 現在の事業活動におけるリスクを分析します。
  • リスクアセスメント: 特定したリスクの影響度や発生確率を評価します。
  • BCP策定: リスクアセスメントの結果に基づき、BCPを策定します。

(3)運用段階:BCMSの構築、文書化、内部監査

BCPを策定したら、BCMSを構築し、運用していきます。

  • BCMSの構築: ISO22301の要求事項に基づき、BCMSを構築します。
  • 文書化: BCMSに関する文書を作成し、整備します。
  • 内部監査: BCMSが適切に運用されているか、内部監査を実施します。

(4)審査段階:審査機関による審査、是正措置

BCMSが構築・運用されたら、認証機関による審査を受けます。

  • 審査: 認証機関の審査員が、BCMSがISO22301の要求事項に適合しているか審査します。
  • 是正措置: 審査で指摘された不適合事項に対して、是正措置を講じます。

(5)認証取得後:維持審査、更新審査

認証を取得した後も、BCMSを継続的に改善していく必要があります。

  • 維持審査: 認証取得後、定期的に維持審査を受けます。
  • 更新審査: 3年ごとに更新審査を受け、認証を更新します。

7. ISO22301認証取得の事例

ISO22301認証を取得し、事業継続マネジメントを強化している企業の事例をご紹介します。

(1)製造業

ある製造業の企業は、地震や台風による生産ライン停止リスクに備え、ISO22301を取得。代替生産体制を構築し、複数の工場で生産を融通できるようにしました。また、サプライチェーンを強化し、原材料の調達先を複数確保することで、事業継続性を向上させています。

(2)金融業

ある金融業の企業は、システム障害発生時の顧客サービス停止リスクに備え、ISO22301を取得。システムを冗長化し、複数のデータセンターに分散配置することで、システムの継続稼働を可能にしました。また、バックアップ体制を強化し、障害発生時には迅速にデータを復旧できるようにしています。

(3)IT企業

あるIT企業は、サイバー攻撃による情報漏えいリスクに備え、ISO22301を取得。セキュリティ対策を強化し、ファイアウォールや侵入検知システムを導入することで、不正アクセスを遮断しています。また、従業員教育を実施し、セキュリティ意識向上を図っています。

(4)医療機関

ある医療機関は、災害発生時の医療提供体制維持リスクに備え、ISO22301を取得。代替医療施設を確保し、災害時でも医療サービスを提供できる体制を構築しました。また、医療物資の備蓄を行い、供給体制を整備しています。

(5)小売業

ある小売業の企業は、物流拠点の被災による商品供給停止リスクに備え、ISO22301を取得。物流拠点を複数箇所に分散配置し、商品供給を継続できるようにしました。また、代替調達ルートを確保し、特定のサプライヤーが被災した場合でも商品を調達できるようにしています。

このように、各企業はISO22301認証取得により、事業特性に応じた事業継続マネジメント体制を構築し、事業継続性を向上させています。

8. ISO22301に関するよくある質問(FAQ)

質問1:ISO22301とISO9001の違いは?

ISO22301は事業継続マネジメントシステム(BCMS)に関する国際規格であり、ISO9001は品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格です。どちらも、組織のマネジメントシステムに関する規格ですが、目的が異なります。

質問2:ISO22301の有効期限は?

ISO22301の認証の有効期限は3年間です。有効期限が切れる前に更新審査を受ける必要があります。

質問3:認証取得までの期間は?

認証取得までの期間は、組織の規模やBCMSの構築状況によって異なりますが、一般的には6ヶ月~1年程度です。

質問4:事業継続について未整備でも取れる?

取得可能です。当社サービス「ISO/Pマーク認証&運用コンサルティング NEXT」にご相談いただければ、本当に想定される有事に備えた仕組みづくりのサポートをさせていただきます。

9. まとめ

ISO22301とは、組織の事業継続マネジメントシステム(BCMS)を構築・運用するための要求事項を定めた国際規格です。

ISO22301目的は、組織が予期せぬ事態に直面した場合でも、重要な事業活動を継続または迅速に復旧できるようにするためにあります。

ISO22301が重要な理由は、主に4つあります。

  1. 企業の存続を守るため
  2. 顧客からの信頼を得るため
  3. 競争力を強化するため
  4. 社会的な責任を果たすため

ISO22301を取得する際は、メリット・デメリットを見て取得するかを考えましょう。

メリット

  1. 信頼性の向上
  2. 競争力の強化
  3. リスク管理の強化 等

デメリット

  1. 費用、時間、労力がかかる
  2. 運用体制の構築が必要
  3. 認証取得後も維持管理が必要

ISO22301の取得は、次の5ステップで進めましょう。

  1. 認証機関の選定
  2. 準備段階:現状分析、リスクアセスメント、BCP策定
  3. 運用段階:BCMSの構築、文書化、内部監査
  4. 審査段階:審査機関による審査、是正措置
  5. 認証取得後:維持審査、更新審査

 

ISO22301は、様々なリスクから事業を守り、継続的な成長を支えるための重要なツールです。

事業の継続性を確保するために、ISO22301の取得をぜひご検討ください。

監修者

このナレッジの監修者

結石 一樹 KEISHI KAZUKI

株式会社スリーエーコンサルティング 執行役員。
ISO・ISMS・Pマークに関するコンサルティング歴10年、担当企業数380社以上。
大手企業や上場企業のサポート経験が豊富。
効率的で効果的な認証取得はもちろん、運用のマンネリ化や形骸化、ダブルスタンダード化などの問題解決に日々取り組んでいる。