ISO・プライバシーマーク・ISMSの認証取得・運用サポートコンサルティング ISO NEXT

Pマーク ISO27001 ISO9001 ISO14001 各種ISO ナレッジ 会社概要 tel.0120-068-268 お問合せ

ISMSのナレッジ KNOWLEDGE

CATEGORY

ランサムウェアの対策方法とは?日常の予防策から高度な対策まで解説!

ランサムウェアの予防対策は、バックアップ、セキュリティソフト導入、従業員教育などが挙げられます。さらに高度な予防対策として、ネットワークセグメンテーション、マルチファクター認証、EDR、SIEMについても解説します。

プロのコンサルタントに相談する

1. ランサムウェアとは?

ランサムウェアとは、コンピューターに侵入し、データを暗号化して使用不可にした後、復号の対価として身代金を要求するマルウェアです。近年、その手口は巧妙化し、被害規模も拡大しています。

企業だけでなく、個人も標的となり、業務停止やデータ漏洩といった深刻な事態を引き起こす可能性があります。

なぜランサムウェアがここまで危険なのでしょうか?

それは、一度感染してしまうと、短時間で広範囲に被害が拡大するため、復旧に多大な時間とコストがかかるからです。また、身代金を支払っても、必ずしもデータが復元されるとは限らず、二次的な被害に繋がるリスクも高まります。

2. ランサムウェアの感染経路

ランサムウェアは、巧妙な手口でデジタル世界に侵入してきます。まるで忍者のように、気づかれずにシステムに潜み込み、データを暗号化し、身代金を要求します。

具体的にどのような経路でランサムウェアが侵入してくるかを解説いたします。

⑴メールを介した感染

不審なメールに添付されたファイルを開いたり、リンクをクリックすることで、気付かないうちに感染してしまうケースが最も多く見られます。巧妙な手口としては、信頼できる人物を装ったメールや、緊急性を煽るような文面などが挙げられます。

⑵USBメモリなどの外部メディアからの感染

USBメモリや外付けハードディスクなど、外部メディアを経由して感染することもあります。感染した端末に接続された外部メディアを、別の端末に接続することで、ウイルスが拡散する可能性があります。

⑶Webサイトの脆弱性を悪用した感染

脆弱性のあるWebサイトにアクセスすることで、自動的に感染する場合もあります。特に、古いソフトウェアを使用しているWebサイトは、攻撃されやすい傾向にあります。

⑷その他の感染経路

リモートデスクトップの脆弱性を悪用したり、ネットワーク共有を利用したりするなど、様々な感染経路が存在します。

3. 日常で行えるランサムウェア5つの対策方法

ランサムウェアから身を守るためには、日頃から万全の対策を講じることが重要です。

具体的な対策としては、以下の5点が挙げられます。

  1. バックアップを定期的にとる
  2. セキュリティソフトの導入と設定
  3. 従業員へのセキュリティ教育
  4. ソフトウェアのアップデート
  5. 不審なメールは開かない

それぞれの詳細を見ていきましょう。

⑴バックアップを定期的にとる

ランサムウェアに感染し、データが暗号化されても、事前にバックアップを取っていれば復元が可能です。

定期的に重要なデータを外部ストレージなどにバックアップしましょう。

⑵セキュリティソフトの導入と設定

信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要です。

ウイルス定義ファイルを定期的に更新し、疑わしいファイルの検出機能を有効にするなど、適切な設定を行いましょう。

⑶従業員へのセキュリティ教育

従業員がランサムウェアの脅威を理解し、適切な行動を取れるように、定期的なセキュリティ教育を実施しましょう。

フィッシングメールの見分け方や、不審なファイルを開かないことなどを徹底的に指導しましょう。

⑷ソフトウェアのアップデート

OSやアプリケーションに脆弱性が見つかった場合、攻撃者に悪用される可能性があります。

そのため、常に最新版にアップデートすることが重要です。

⑸不審なメールは開かない

不審なメールは開かず、添付ファイルも実行しないようにしましょう。

差出人が不明なメールや、件名が不自然なメールには注意が必要です。

4. さらに高度なランサムウェア対策方法

ランサムウェア対策は、基礎的なセキュリティ対策に加え、より高度な戦略を導入することで、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。

以下に、高度なランサムウェア対策の具体的な手法をいくつかご紹介します。

⑴ネットワークセグメンテーション

ネットワークを複数のセグメントに分割することで、あるセグメントで発生した感染が他のセグメントに広がるのを防ぎます。これは、まるで城を複数の区画に分けて守るようなものです。

各セグメントに異なるレベルのアクセス権限を設定することで、攻撃者がネットワーク内を自由に動き回ることを困難にします。

⑵マルチファクター認証(MFA)

パスワードに加えて、別の認証要素(生体認証、SMS認証など)を要求することで、不正アクセスを防ぎます。

パスワードが漏洩した場合でも、このマルチファクター認証を導入していれば、攻撃者は簡単にアカウントに侵入することができません。

⑶ゼロトラストアーキテクチャ

ネットワーク内のすべてのデバイスを信頼せず、厳格な認証を行うことで、セキュリティを強化します。

従来のネットワークでは、一度ネットワーク内に侵入できれば、他のリソースにアクセスできることが多かったですが、ゼロトラストでは、すべてのアクセスを厳密に検証します。

⑷EDR (Endpoint Detection and Response)

端末の挙動をリアルタイムで監視し、異常な活動を検知して対応します。

ランサムウェアは、ファイルの暗号化など、特徴的な動作を行います。EDRは、このような異常な動作を早期に検知し、攻撃を阻止したり、被害を最小限に抑えたりすることができます。

⑸SIEM (Security Information and Event Management)

複数のセキュリティ製品からログを集約し、相関分析を行うことでインシデントを早期に検知します。

SIEMは、ネットワーク全体を俯瞰的に監視し、セキュリティイベント間の関連性を分析することで、より高度な脅威に対処することができます。

5. ランサムウェアに感染してしまった場合の対処法

万が一、ランサムウェアに感染してしまった場合、迅速かつ適切な対応を行うことが重要です。以下に、感染時の対処法を詳しくご紹介します。

⑴ 感染に気づいた時

ランサムウェアに感染すると、ファイルが開けなくなったり、デスクトップ画面に身代金の要求が表示されたりするなどの異常な現象が発生します。このような兆候に気づいたら、慌てず以下の対応を行いましょう。

  • 感染した端末の電源を切る:感染が他の端末に広がるのを防ぐため、まずは感染した端末の電源を切断しましょう
  • ネットワークから切り離す:感染した端末をネットワークから切り離し、他の端末との通信を遮断しましょう
  • 専門家への連絡:自社の情報システム部門や、外部のセキュリティ専門家に連絡し、状況を報告しましょう

⑵ 専門業者への依頼

ランサムウェアの感染は、専門的な知識が必要なケースが多く、個人で対応するのは困難です。セキュリティ専門業者に依頼することで、以下の支援を受けることができます。

  • 感染状況の分析:専門業者が感染状況を詳細に分析し、被害の程度を把握します
  • 感染経路の特定:感染経路を特定することで、再発防止策を講じることができます
  • データ復元の試み:専門業者の持つ技術やツールを用いて、暗号化されたデータの復元を試みます
  • インシデント対応:警察への届出や、関係各所への報告など、インシデント対応をサポートします

⑶ データ復元の依頼

専門業者にデータ復元の依頼をする場合、必ず事前に費用や成功率について確認しましょう。

全てのデータが復元できるとは限りません。また、復元できたとしても、データが破損している可能性があります。

⑷ サイバー保険への加入

サイバー保険に加入していれば、ランサムウェアによる被害に対する保険金が支払われる場合があります。

保険金で、専門業者への費用や、データ復元の費用などを賄うことができます。

6. まとめ

ランサムウェアの脅威は、ますます深刻化しています。しかし、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。

本記事で紹介した対策を参考に、自社のセキュリティレベル向上に努めましょう。

監修者

このナレッジの監修者

結石 一樹 KEISHI KAZUKI

株式会社スリーエーコンサルティング 執行役員。
ISO・ISMS・Pマークに関するコンサルティング歴10年、担当企業数380社以上。
大手企業や上場企業のサポート経験が豊富。
効率的で効果的な認証取得はもちろん、運用のマンネリ化や形骸化、ダブルスタンダード化などの問題解決に日々取り組んでいる。