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Pマーク取得は意味がないのか?デメリットについても解説!

Pマークは取得しても意味がないのでしょうか。Pマーク取得は企業にとって多くのメリットがあり、意味のある認証と言えます。しかし、Pマークを取得しただけで、実際には個人情報を保護する具体的な対策が実施されていない場合、Pマーク認証の意味は薄れてしまうでしょう。

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1.なぜPマークを取得しても意味がないと言われるのか?

Pマーク(プライバシーマーク)は取得しても意味がないと言われる場合、以下の3点が意味のない理由としてあげられるケースが多いです。

  1. 既に社内でルール化されている
  2. JIS Q 15001の要求事項に当てはまらない
  3. 取得にかかる作業負担・費用が大きい

このような状況に加えて、Pマークを取得する上でのデメリットが足かせとなりわざわざPマークを取得する意味はない、という結論となってしまうのです。

2.Pマーク取得のデメリット

Pマーク取得には、メリットもありますが、デメリットと感じられる事項もあります。主な内容は以下3点となります。

(1)工数がかかる

Pマークを取得するためには認証審査を受ける必要がありますが、そのための準備作業が工数となってしまいます。
これには個人情報保護に関する方針や手続きの整備や文書作成、審査を申し込む際の資料の提出など、不定期かつ一時的なものもありますが、日々の記録作成など日常的に実施することもあります。

さらに取得後も2年に1度の更新審査があるため、対応がずっと続き、場合によっては担当者の負担となってしまうこともあります。

(2)無駄なルールが増える

Pマークで実施を求められていることへ対応するためには、新たなルールを作成する必要も出てきます。
中には業務に直接関係がなく無駄に感じてしまうものもあります。

(3)費用が発生する

Pマークを取得するには、審査機関による認証審査を受けなければいけません。
審査機関によって違いはありますが、数十万円ほどの費用がかかり取得後も2年に1度、更新のための審査を受ける必要があります。
また、コンサルティング会社によるサポートを活用した場合、審査費用+コンサル費用がかかってきます。

Pマーク取得には工数と費用がかかり、遵守しなければならないルールも増えます。しかし、Pマークを取得しても受注が増えず、効果を感じない場合、「意味がない」と言われてしまうことがあります。

3.Pマークについて

改めて、Pマーク(プライバシーマーク)とはどのような認証なのか見ていきましょう。

⑴Pマーク(プライバシーマーク)とは

Pマーク制度は、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営する認証制度であり、Pマークとは、個人情報の適切な取り扱いを行っている企業や団体に対して付与されるマークです。
Pマークを取得することで、企業や団体が個人情報保護に関する高い基準を満たしていることを示し、お客様や取引先からの信頼向上につながります。

⑵PマークとISO27001の違い

Pマーク以外にもISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム=ISMS)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
この2つには下記のような違いがあります。

Pマーク

・日本工業規格(JIS)の要求事項に則ったマネジメントシステムの構築要件
・事業者の取り扱う「個人情報」を対象とする
・日本独自の認証制度で、日本の事業者のみが取得できる

ISMS

・国際標準化機構(ISO)の要求事項に則ったマネジメントシステムの構築要件
・組織の取り扱う「情報資産(個人情報を含む)」を対象とする
・国際的な認証制度のため様々な国・地域の組織が取得できる

一見、ISMSの方が万能のように見えますが、様々な国・地域にある組織が対象となるため求められる要件自体はそれほど難しくなく、また自由度が高いため取得企業間でもセキュリティ状態は一律ではありません。

一方で、Pマークは日本の個人情報保護法準拠を前提としているため、法令遵守状況や実施内容が均一となり、外部からも組織の個人情報保護体制が整っていることが明確になります。

⑶Pマークの必要性とは

Pマークの取得が必要となるケースは主に下記の7つがあげられます。

①取引先や顧客からプライバシーマークを取ってほしいといわれた
②契約条件にプライバシーマークの取得が含まれていた
③入札の条件になっている、入札に加点される
④競合他社との差別化を図りたい
⑤自社のブランディングを行いたい
⑥自社の体制を整えて、従業員の情報セキュリティ意識を向上させたい
⑦エンドユーザーが安心して自社のサービスを使えるという指標になるようにしたい

4.Pマーク取得企業が増えている理由

Pマークの必要性から、取得を目指す組織は年々増加しております。取得理由の傾向としては、大きく以下の3点が考えられます。

  1. 顧客からの要求で必要になったため
  2. 個人情報取り扱いの体制整備のため
  3. 競合他社と差別化を図るため

しかし取得したあと、運用に失敗してしまうケースも多く見受けられます。

5.Pマーク取得のメリット

一方で、Pマークを取得することで得られるメリットも多く存在します。

ここでは主な5つのメリットをご紹介します。

(1)顧客からの信頼と評価の向上

Pマークは、組織が個人情報保護に真剣に取り組んでいることを示す重要なシンボルとなります。
Pマークを取得することで、顧客からの信頼が向上し、個人情報保護に対する意識が高い企業として評価される可能性があります。

(2)法令順守の信頼性

Pマークは、審査基準が一定水準を満たしていることを示すため、組織が法令を遵守していることを証明する重要な指標となります。
これにより、法的なリスクを軽減し、規制当局や顧客からの信頼を得ることができます。

(3)競争優位性の向上

Pマークを取得することで、競争環境において他社よりも個人情報保護が優れているという差別化が図れます。
特に個人情報保護に敏感な顧客層からの支持を得やすくなり、市場での地位強化につながる可能性があります。

(4)データ管理の改善

Pマーク取得の過程で、個人情報保護に関連する規程や手続きを整備する必要があります。
これにより、データの適切な管理と保護が促進され、情報セキュリティの向上にも寄与します。

(5)信頼できるパートナーシップの構築

Pマークを取得した組織は、他の組織とのパートナーシップを築く際に信頼性が高まります。
特にデータを共有する場面で、個人情報保護が適切に行われていることを証明できるため、ビジネスの安定性と信頼性が向上します。

では次の項目ではPマークを取得するメリットを享受し、デメリットをなるべく避けるためにはどうしたらいいか、その方法についてご案内いたします。

6.Pマークの効果的な取得・運用方法

Pマークを効果的に取得・運用していく方法としては

  1. コンサルティング会社のサポートを活用してみる
  2. 面倒な部分をアウトソースする
  3. 自社の状況にあった無理のないルール策定を行う

ということがあげられます。

(1)や(2)のように自身で対応しなくともよい内容については、アウトソースすることで負担を減らして効率のよい運用ができるでしょう。
また、(3)についてもプライバシーマークのプロであるコンサルタントの助言を基にすることで、悩む時間を削減することが可能です。

7.まとめ

Pマークの運用のすべてが意味のないことではありません。
運用方法を工夫したり、外部コンサルタントの力を借りて、本当に注力しないといけないことを組織で考え、取り組む仕組みを構築するなど、活用方法でPマークを意味のあるものにしていくことができます。
時間・工数で割くべき箇所がどこか改めて考えていただき、組織の方針に合った運用ができることが重要です。

取得を迷っている方、運用の見直しを検討されている方は、気軽にお問い合わせください。

監修者

このナレッジの監修者

結石 一樹 KEISHI KAZUKI

株式会社スリーエーコンサルティング 執行役員。
ISO・ISMS・Pマークに関するコンサルティング歴10年、担当企業数380社以上。
大手企業や上場企業のサポート経験が豊富。
効率的で効果的な認証取得はもちろん、運用のマンネリ化や形骸化、ダブルスタンダード化などの問題解決に日々取り組んでいる。