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スペシャルインタビュー 製造業におけるISO運用のリアルISOを経営の実態と合致させるには?

製造業におけるISO運用のリアルISOを経営の実態と合致させるには?

鈴木 滋朗

1950年に創業し薄板金属加工を得意とする最上インクスグループ154名を牽引する代表取締役社長。
ISO9001・ISO14001運用の担当者経験を活かし、ただ審査に合格するためだけでなく、経営のためになるISO運用を確立している。

製造業におけるISO 運用のリアルISOを経営の実態と合致させるには?
経営のためのISO運用を考える

Q.御社では20 年以上ISOを運用されていると思いますが、取得のきっかけは何でしたか?

鈴木

取引条件だったことですね。弊社は金属プレス加工業ですが、ちょうど 20 年くらい前は、上場メーカーさんとのお取引が結構多くて。メーカーさんは、ベンダーを選 ぶときに「ISO を持っている会社か」を選定基準として見ていて、ISO を取得しているかどうかでふるいにかけられていたと思 います。認証を持っているということは、ある程度共通の言語が通じるじゃないですか。
はっきりとおっしゃってはなかったですが、ISO9001 と ISO 14001 の 2 つは持っていないとダメ、という感じでしたね。

 

Q.当初、スムーズに取得はできましたか?

鈴木

品質管理責任者として、ISO9001 と ISO14001 を統合して取るときは僕がやりましたね。「半年で取れ。」って前社長に言われて、めちゃくちゃになりましたけど何とか半年でとりました。
審査機関には「半年間で取得はやめた方がいいです。無理です。」と言われたんですが前社長は「いや、やらせます。」 と返して。強烈でしたよ。(笑)

幹部も土日返上で、本を読んで、すべて自力でやりました。その時はISOを経営に活かすことなんて全く考えていなくて、取得することが目的でした。
イヤイヤやっていたのでスムーズな取得とは程遠かったですね。

 

Q. ISO を維持する中で、苦労された点はどんなところですか?

鈴木

なんかこう、プロセスがブチ切れてしまうと上手くいかないですよね。トップはトップの方針があって単体で動くので、全体で機能を為さなくて。ISOの運用において皆さんが苦しんでるのはそこだと思うんですよ。
結局人に全部帰属するので、組織での成果って大きくならなくて。
うちもISOの本来の目的であるはずのマネジメントの有効性が測れないような状況になってしまってしんどかった時期がありました。

 

Q.今の ISO 運用状況を教えてください。

鈴木

うちはマネジメントシステムという表を作って、マネジメントを全部統合しています。品質・環境・安全衛生・BCP・セキュリティと、全部同じサイクルで回すようにしているんです。 そうすると、トップのマネジメントレビューは全部同じタイミングで実施できますし、そのレビューから周期計画と方針を決めて幹部に伝えて順番にやっていくようにしていて。 自分で管理責任者をやった経験があるからそういう概念で運用できるようになったんでしょうね。 全て基本的なマネジメントの思想に ISO を使えるんです。その体系的なものに組み合わせて当てはめていって、内部監査も一緒にやってしまいます。それぞれ責任者がいるので一応トップに上げるトップレビュー用の資料を作ってもらって、僕がチェックして、それを大体 12 月にやって、1 月~3 月までに中期計画のローリングと方針をそれに合わせて回すというパターンでやっていますね。

 

Q.御社のようにサイクルが合っている企業はなかなかないので驚きました。上手く経営と合致させるために工夫していることは何ですか?

鈴木

ISO のためだけの余計な書類や会議を増やさないことですね。 何年か経つと形骸化してくるタイミングが来ると思いますが、そのフェーズ で、ISO のための動きみたいになってしまうと、結局そもそものマネジメントとリンクしないので。
うちは監査を経るごとに、どちらかと言うとシンプルになっていってますね。ここはもういいしここは統合しようとか。

ISO もやっぱり当事者じゃないと勉強しないんですよ。それに今の仕事を乗せていくっていう作業を少しずつやっていくしかないんですよね。
僕は、書類を増やすことを許さないんです。マニュアルのためのマニュアルは絶対あかんって。
論点を整理しないとルールを作ることが目的になってしまうし、ルールってメンテナンスされずに形骸化していくので。

ちょうど先月更新審査だったんですけど、毎回審査員さんに「全部、洗いざらい見てどんどん指摘してください」って言います。高いお金払ってますし、その方が値打ちあるじゃないですか。是正って別に悪いものではないですし、中途半端なものをやってもらうよりいいと思っていて。
「彼は口ばっかりなので、発言よりも絶対に記録をチェックしてください。」なんて伝えることもあります。(笑)マネジメントとして有効に働くような審査をしてもらっています。

 

Q.コンサル利用を検討されたことはありますか?

鈴木

20 年ぐらい前ですがコンサルしてもらったことがあります。当時は会社を辞めて個人でコンサルティングをされている方が多くて、最初の取得を助けてもらいました。
その後、14001と統合するときは自分たちでやったので、最初の時くらいですね。

Q.最後に、中小企業が効果的に ISO を運用する秘訣は何だと思われますか?

鈴木

「こういう会社にしたい」っていう目的を明確にすることだと思います。いかに主体性をもって、その目的のために ISO を使うか、ですね。そうすると、自分できちんと有効性を図れるようになります。

僕が良かったのは、自分がトップになる前に ISO の責任者を経験していたので、トップになってからその両面を見れたことですね。トップの頭が整理できていないと中小企業のISOって上手くいかないんですよ。トップがどの位置で見てるかによってISOなんて全然変わります。
最初から取りたいと望んでやる人は認証のパートナーをどんどんいい意味で利用していくと思うので。受け身が多いと、トップの意思を引き出してあげながらやると良いと思います。
「俺がやりたいことにも ISO って意味があるのかな」というのを紐づかせることが重要ですね。

 

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